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​ここではジュエリーの豆知識や宝石のおはなし、商品のお知らせなどをお届けします。

執筆者の写真Minulait

パールの起源とその希少性

更新日:2021年3月30日


ひとさし指の指先ひとつ程の大きさのパールのイヤリング


ふらりと入ったアクセサリーショップで気軽に手に取った大ぶりなイミテーションパールのピアス

どんなオケージョンにも役立つずらりと真珠が連なったパールのネックレス



ファッションの一部としてはもちろん、幸せ溢れるハレの日や、哀しみに泣き崩れたい日。



どんな時にもふと手に取って来たのは真珠を使ったアクセサリーだった事に、皆さんも心当たりがあるのでは無いでしょうか?







そうやって真珠は古来から多くの人々に愛されて来ました。


その歴史はとても古く、ある文献によると中国では紀元前2300年頃、ペルシャでは紀元前7世紀頃、そしてローマでは紀元前3世紀頃から真珠が使われていた事が記されています。





1966 真珠の首飾りの少女



そんな真珠発見の発端は、かの有名な航海士コロンブスが新しく世界を見つけ出し、切り開く為の3度目・4度目の航海に出た時でした。


当時コロンブスは幾度となく真珠を身に着けた現地民族に遭遇していました。

それは天然真珠の母貝が獲れる事を意味し、その後南米ベネズエラやパナマで天然真珠の産地を見つけ出します。そこからヨーロッパ各国での需要が高まっていったのです。



エジプトではクレオパトラが酢に溶かして飲んでいた、という話は一度は耳にした事があるかもしれませんが、その時代はなんと紀元前3200年頃にも遡ります。

真珠を溶かして飲む....贅沢過ぎて想像もつかないですし、一度は試してみたい様な、なんだか羨ましい気持ちもありますよね!







【美しいもの】とは?



美しいと感じる事。それは文明の進化によって知らしめられた事では無く、私たち人間の遺伝子に組み込まれていて、どの時代においても【美しいもの】には無意識のうちに心奪われる。

一度ご自身の幼少期を思い出してみて下さい。野に咲く花の鮮やかで可憐な可愛らしさや、颯爽と走る車がカッコいいと思う感情い。それは人々が持つ生まれ持った幸せな感情であり、その遺伝子の共鳴は古代も現代も変わらない事です。

しかし、古代ヨーロッパにおいて真珠は、その貴重性から【美しい真珠は王族や貴族だけが身に着けられるもの】として、ごく一部の者だけが持てる大変貴重な宝石類として長年受け継がれて来ました。



その理由は養殖真珠が普及するまでのずいぶんと長い間、真珠=天然真珠しか存在せず、【天然真珠は偶然が生む、貝の中から偶発的に獲れる宝石】だったからです。



大変長い間貴重な宝石として王族や貴族に愛された真珠ですが、天然真珠に魅了された多くの人々がその天然真珠を求め濫獲が進み、それでも獲り続けた結果、世界でも国内でも天然真珠の母貝が枯渇してしまいました。





Minulaitでも取り扱っているバロックパールもこの頃から多くの貴族達が愛用していた





そしてコロンブスが天然真珠の産地を発見してから100年も立たないうちに、この様な乱獲が進み、真珠が獲れるアコヤ貝はもはや一度は絶滅寸前に。

追い討ちをかける様に庶民でも安価に手に入るプラスチックボタンなどの普及で天然真珠の産地は更に衰退していってしまいます。



王族や貴族以外の人たちにも手軽に真珠が手に入る様にするには?

もっと沢山真珠を生み出せば、より多くの人に真珠が手に入る様になるのではないか?



余りにも高級品であるが為に天然真珠の産地が衰退しているというのなら、それはとても悲しい事。こんなにも美しいものがもう手に入らないなんて....


そう考え始める人が出てきたのです。

そしてまず、中国大陸での真珠の養殖の一歩が踏み出されます。


そんな養殖真珠の第一歩から時を経て、日本でも【この美しい天然真珠を自らの手で作り出そう!】と考えた人物が出現しました。


世界で愛されて来た真珠を【安定的に養殖する】事。


それを世界で初めて成功させた先駆者は紛れもなく日本人なのです。

それは同じ日本人であり、日本に暮らす私としては非常に誇りに思っています。


だって、貝の中の中からたった一粒の美しい真珠を安定的に、継続して生み出し続ける....

想像を遥かに越えた苦労を思えば、大変な偉業だと痛感せざるを得ません。









この【真珠の完全養殖】を成功させた1920年代。そこから1930年代以降〜80年代の年月をかけ、真珠の養殖が多様化し世界各国に広がりました。


しかし、多様化が進んだ現在でも真珠は世界の様々な湖や池、海から採取される貴重なものには変わりなく、その神秘的な姿は一度目にし、手に取ると虜になる事は皆さんにもお分かり頂けるかと思います。





養殖真珠が広がるに連れ、一般庶民の誰しもが何れかの真珠を手に取れる様になった現代。

そんな素晴らしい時代になり、それは今や普遍的な事です。


世界を切り開く航海の途中に発見された真珠が、多くの偉人たちの偉業にによって昨今も私たちの日常を彩り、そのうっとりとする程の艶やかで白く、滑らかな輝きで、これからも私たちを魅了し続けてくれる事でしょう。









Minulait from MIKO

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